暖かい日が増えてくると、山の芽吹きが始まる
薄黄緑色~白っぽい黄色が山をおおう
そのなかに、ぽつりぽつりと
赤茶色の葉と白い花が、織りあうようにピンク色の樹冠を作っている
野生のサクラ-ヤマザクラだろう
他にも、わたしの住む地方では
オオシマザクラ、エドヒガン、マメザクラなども見かける
毎日のように山を眺めているが
野生のサクラたちはみな、思い思いのタイミングで花開く
一気に咲く木もあれば、のんびり咲く木もある
毎年同じでもない
今年はあの木は早かったわね、去年はこの木は遅かったねと
近所で話題になる
サクラにしてみれば、花咲くタイミングはとても大事だろう
きっとどんな植物、すべての生きものにとって、大切な事に違いない
ヒトもそう
だから毎年、いつ咲こうか、いつ咲こうか…
いや、上手く咲けるかな、無謀かな、失敗したらどうしよう!
あらあら、ヒトはせっかく咲かせる花があるのに躊躇してしまうのか
あいつは、あんなときに花を咲かせやがってと
必死に咲かせた一輪をもぎ取ってしまう輩もいる
本当は野山でのびのびと、花を咲かせたいヒトなのに
この社会では、自由に「咲く」ことが少し難しい
近年の、社会の急速な広がりで
花を咲かせる野山が増えたと思うが
風が強くてすぐ山火事
それでも、精いっぱい咲けばいい
時がくればいずれ散るけれど
生きるものすべての権利
そんな話を知ってかしらずか
他人の花をすなおに愛で、自分の花を信じて咲かせようとするヒトの声も
広くなった野山に響いている
たとえ無謀な賭けであっても最後に「サクラサク」ことを願って
※画像は和ハーブタロットの「愚者」のカード。
ここでは、ヤマザクラは「愚者の逆位置」の和ハーブ。
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