立春のころには咲いている梅の花、
もう少しで春が来ると感じる人は多いだろう
弥生時代ごろに日本にやってきて、
奈良時代末の万葉集には119首詠まれている
現代でも、梅見、梅酒に、梅干し、梅雨と身近にあって、
私たちの暮らしに、心に入り込んでいるのだ
学問の神として祀られた、かの菅原道真公には
梅にまつわる伝説がある
「公が太宰府へ左遷の折、
庭の桜は悲しむあまりに枯れ、
松は公を追って空を飛ぶが摂津国で力尽き根を下ろしたが、
梅の木は一夜のうちに太宰府へたどり着いた」
一途な梅が想いを遂げたことが印象に残る
梅の歴史を紐解いていくと、禅の世界にこんな言葉があった
「梅開早春(ばいかいそうしゅん)」
春が来たから梅が咲くのではなく、梅が咲いたから春が来た
といった意味だそう
「人の世も、春はまだかと、ただ待っているだけでなく
冬を耐え、自分の可能性を信じ、
自ら花を開かせることで春はやってくるのでしょう」と、
説明しているお坊様がいた
ああ、わたしたちはみな、
咲かせたい花をわかっているのか…
自分の可能性を一途に信じられるのか…
冬の辛さばかり身に染みて、
吹雪の中で目も開けられないこともある中で
冷たい睡魔に誘われる 人生の冬
50年も生きれば、そのまま春が来なかった話も思い出される
あの時、ああしていれば、こうしていれば
なのに最後は、ひとのせい、カネのせい、運のせい
いや、
「咲かせたかった花に向きあっていれば」
「自分の可能性を一途に信じていれば」
春を呼べたのかもしれないと
梅の木の生き様に、やっと知る
そして自分に言おう
「梅開早春、春の報せはどこからくるのか気づけるように」
願いをこめて
※画像は和ハーブタロットの「審判」のカード。
ここでは、梅は「審判の逆位置」の和ハーブ。
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