ハマナスの実に寄せて
夏に紅紫色の花を鮮やかに咲かせ、秋に結実するハマナス。
海辺に育ち、花は青い海を背景に1日だけ咲いて、散っていく儚い一日花。
一方、実はたいへん固く水も吸わず、落ちてもすぐには発芽しないガンコ者です。
ある日、実はぽとりと落ちて、長い海の旅に出ます。
「私の土地はどこかい?」「私が住まう砂浜はどこかい?」
新天地を夢見ながらも、自らの意思だけで辿り着けない希望の土地を目指して。
波に揺られて、色々な生き物に出会い、時には独りぼっちの夜を過ぎて、
果てしない水平線、永遠と思う闇夜、月の光の道。
海に落ちた日、一緒だった仲間は、もう遠にいません。
けれど、太陽が笑いかけてくれた日、星が方向を教えてくれた夜、
風が陸の音と匂いを運んできたとき、
「私の未来はまだずっと、この先に続いている」と
希望が心に生きていることを感じたのかもしれません。
そうして、やっと砂浜に辿り着くと、
あれほどガンコだった実は、このタイミングだ!とばかりに
殻を破り、芽吹くのです。
やがて、砂浜に暮らすハマナスは、砂が堆積すれば茎を伸ばし
砂が風で飛ばされてしまえば、根を深く伸ばします。
なんだか、いつも環境に流されているのかしら?と、ふと思いましたが、
すぐに本質を理解しました。
運命に流されているだけじゃない、ここぞ!というタイミングで動けるように
希望を忘れないのねと。
時の流れは止まりません。未来へ向かって流れていきます。
運命に嘆くことがあっても、どんな運命の流れの中でも「私」を生きたい。
ハマナスのように希望を胸に、運命を味方にして。
「時はいつでもあなたの味方、波に上手く乗ってゆけることを祈って」
※画像は和ハーブタロットの「運命の輪」のカード。
ここでは、ハマナスは「運命の輪の正位置」の和ハーブ。
※麻羽たんぽぽのオリジナルタロットカード『和ハーブタロット』はこちら(Amazon)で購入できます。